ヒューリンクスが創薬支援ソフト「StarDrop」最新バージョン6.0
斬新なカードビュー機能搭載、直感的な解析が可能に
2014.12.01−ヒューリンクスは1日、英オプティブリアムの創薬支援ソフト「StarDrop」の最新バージョン6.0を国内で販売開始した。物性予測、ケミカルスペース解析、スコアリング、構造活性相関などの機能を持ち、メディシナルケミスト(薬化学者)向けに使いやすくつくられていることが特徴。今回の最新版では、多数の化合物群から有望な候補を見つけ出すための新しい“カードビュー”機能が搭載された。斬新な操作感覚で利用者の科学的な思考を刺激して、直感的な理解をうながしてくれる。
今回の“カードビュー”は、表形式で各種プロパティーを表示する“テーブルビュー”、分子の特性を可視化することで比較対照をしやすくする“モレキュラービュー”に加えて新しく追加されたデータ表示形式。1つの分子が1枚のカードとなり、その表面に構造式や物性値が表示される。1枚のカードには複数のページが設定され、多くの情報を格納することが可能。項目の表示順などは自由に設定できる。カードは注目したい物性値などで色付けすることもでき、カード自体はドラッグ&ドロップで自由に動かせる。
ユニークなのは、カードをスタック(重ねる)したりリンク(結ぶ)したりできること。複数のカードをスタックすることで簡単にグループを作成できるが、共通の部分構造を持つカードを自動的にスタックさせてクラスタリングを行うことも可能。カードの一番上には、そのスタックの共通構造やそこに含まれる化合物の物性値の分布をヒストグラムで表示させることもできる。
また、カードを直線でリンクさせて、構造の類似性や合成のステップのような関係性を表現することが可能。接続する線を矢印に変えれば、カード間の関係に方向性を与えることができる。カードの操作感覚は斬新で、遊んでいるようにして思考や発想が刺激されるようにつくられているという。
具体的な利用例としては、特定のカードを中心に構造の類似性のスコアで多くの化合物を渦巻き状に自動配置し、注目する物性値に基づいてリンクを色付けすることで、アクティビティクリフ解析を視覚的に行うことができる。また、マッチドモレキュラーペア(MMP)解析にも有効で、ただ一つの部分構造だけが異なるペアを自動的に関連づけることなども容易。表形式での操作よりも格段にわかりやすい。さらに、リードホッピングで構造変換を行い、新しい候補化合物の構造を数世代にわたって展開・生成する“NOVAモジュール”をカードビューと組み合わせれば、世代ごとに色分けしたり、親子関係をリンク付けしたりすることで、望ましい物性を示す化合物がどのような関係性にあるのかなどの解析が視覚的に行える。
そのほか、バージョン6.0での機能強化としては、マルチスキャフォールドでのRグループ解析、アラインメント機能、グラフ化機能などが強化されている。
******
<関連リンク>:
ヒューリンクス(トップページ)
http://www.hulinks.co.jp/
ヒューリンクス(StarDrop 製品情報ページ)
http://www.hulinks.co.jp/software/stardrop/index.html
英オプティブリアム(トップページ)
http://www.optibrium.com/