レッドハット日本法人が新年度事業戦略
OSSの広範領域で20〜25%成長へ、パートナー戦略など強化
2015.04.21−レッドハットは16日、新年度事業戦略に関する記者説明会を開催した。好調だった前年度(2015年2月期)を受け、国内では新しい市場領域への進出やパートナー戦略/サービスビジネス戦略の強化を通して20〜25%成長を目指す方針を打ち出した。同社では、2020年の東京オリンピックを一つの節目として国内のITインフラが大きく変化すると予測しており、オープンソース領域のテクノロジーリーダーとしてこの5年間に攻勢をかけていく。
ワールドワイドでの前年度実績は、売り上げが17%増の17億9,000万ドル。すでにLinuxだけの企業ではなく、ミドルウエアや仮想化、クラウド、ストレージも含めたオープンソースソフトウエア(OSS)領域を広くカバーしている。国内でも前年度は、金融、製造、通信、官公庁などでOSS採用が加速し、データセンター向けでRedHat Enterprise LinuxとJBossミドルウエアが成長したほか、ビッグデータ関連でSDS(ソフトウエアデファインドストレージ)やミドルウエアを含めて50%以上の伸びをみせたという。
日本法人の廣川裕司社長は、「2020年に向けて、日本のITインフラはこれまで以上のスピードで大きく変化する。まず、新しいクラウドベースのデータセンターが拡大して、古いインフラと本格的に共存するフェーズに入る。新旧双方のインフラを統合管理するため、テクノロジーとしては100%クラウドレディが必須になる。また、ウォーターフォール型から超高速アジャイル型へとITの開発環境が変わる。三つ目はビジネスにおけるビッグデータの活用で、ソーシャルメディアに加えて、IoT(モノのインターネット)から得られるビッグデータを生かした“攻める経営”に貢献するITが注目される」と指摘。OSSがITの技術革新をリードする時代が来るとの認識を示した。
今年度の事業戦略としては、「クラウド&モバイル」「ビッグデータ/IoT」「データセンターの刷新」の3つの製品ソリューションにフォーカスし、パートナー戦略面では500社のリセラーを1,000社に拡大、クラウドパートナーも50社を100社に倍増させる。また、地域密着型の営業・パートナー支援体制を強化するため、九州・沖縄・中国地方に営業所を開設するほか、中部・東海地方でもビジネスの本格展開を目指す。
これに関連して、営業面に積極的な投資を行い、営業部隊を30%増員するとともに、サービス事業のコンサルタントも50%増強する。廣川社長は、「2020年には、OS、ミドルウエア、クラウドの3部門で金メダル(業界トップ)を狙いたい」と話している。
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