米シミュレーションズプラスが新製品「PKPlus」発売へ
新薬承認申請向け薬物動態解析、簡単操作と柔軟なライセンス
2016.02.09−米シミュレーションズプラスは、新薬の承認申請に必要な薬物動態(PK)データを解析・サポートするための新しいパッケージソフトウエア「PKPlus」を開発、世界に先駆け日本で発表セミナーを開催した。非臨床あるいは臨床薬物動態試験のデータセットを簡単に取り込み、解析・レポーティングを手早く行うことが可能。この分野は、米サターラの「Phoenix WinNonlin」が独占的に市場を占有しているが、柔軟なライセンスと低価格を武器にして、ユーザーの切り崩しを図る。
同社は、投与された薬剤の消化管での吸収や血中移行を解析・予測するモデリング&シミュレーションソフト「GastroPlus」で有名なベンダー。このGastroPlusには多くのオプションモジュールが追加されてきており、15年前にGastroPlus-PKPlusとして、コンパートメントモデルでPKパラメーターを算出する機能が提供されている。今回の「PKPlus」はその機能を強化して独立させるとともに、規制当局への申請用を想定して開発した製品となっている。
今回のセミナーは2日に大阪、5日に東京で開催したが、合わせて40人以上が参加。また、セミナーでは、国内総代理店のノーザンサイエンスコンサルティング(NSC)から国内向けの価格も発表された。同一ネットワーク内のPCで同時に使用できるフローティングライセンスと、特定のPCを指定するノードロックライセンスの2種類があり、本社と研究所など半径50キロメートル圏内であれば異なる施設でもライセンスを共有して使用することができる。価格は、1ユーザー40万円、5ユーザー175万円、10ユーザー331万5,000円、25ユーザー720万円−などとなっている。アカデミック向けは1ユーザーで18万5,000円。使用場所を制限しないコーポレートライセンスも提供可能だという。
さて、新製品「PKPlus」だが、“簡単で速い”が特徴。ほとんどの操作が、項目を選択してクリックするだけで行うことができる。入力時のミスを減らすため、タイプしなくても使えるようにデザインされたという。これにより、データのインポートやファイルのマッピング、データプレビューが簡単に行えるほか、解析用のデータをセッティングして、ノンコンパートメント解析(NCA)およびコンパートメント解析(CA)を実施することも容易。データのグルーピングやフィルタリングを自在に行うことができるのも大きな特徴になる。解析結果の図表やリストは、承認申請用のドキュメントに簡単に取り込むことができる。
総代理店のNSCは、国内で積極的に新製品をPRする方針。3月に横浜で開かれる日本薬学会に出展し、タッチ&トライコーナーを設ける予定。評価版をインストールしたPCの貸し出しにも応じることにしている。製品の正式な出荷時期は今年の春となっている。
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<関連リンク>:
シミュレーションズプラス(トップページ)
http://www.simulations-plus.com/
ノーザンサイエンスコンサルティング(トップページ)
http://www.northernsc.co.jp/