エルゼビアが反応・化合物データベース「Reaxys」最新版
収録コンテンツを大幅拡充、化学者の検索意図を考慮
2016.12.13−エルゼビア・ジャパンは、反応・化合物データベースの最新版「Reaxys2016」をリリースした。情報の収録範囲を学術雑誌1万5,000誌以上へと大幅に広げたことに加え、現場の化学者が多用するテキスト検索機能を強化し、正確な情報を単に検索するだけでなく、豊富な情報を活用するシステムへと、そのスタンスを大きく変化させた。新しいマイルストーンになるバージョンだという。
Reaxysは、19世紀に出版されたGmelinおよびBeilsteinハンドブックがルーツで、1993年にオンラインデータベースCrossFireとして、さらに2009年からはReaxysと名前を変えて提供されてきている。有機化学、無機化学、有機金属、錯体化学まで幅広くカバーし、収録反応数は約4,180万、収録化合物数は約2,730万、収録した実測物性値が約5億件以上というデータの豊富さが大きな武器。とくに、合成法に関連した調査など実際に実験を行う化学者に人気がある。
今回のReaxys2016では、収録コンテンツの大幅な拡充を実施。2015年版では400誌以上の化学系ジャーナルのフルテキストから実験データを抽出していたが、2016年版はそれに加えて1万5,000誌以上のジャーナルフルテキストから構造情報や化学関連のキーワードを抽出し索引付けしている。また、新規化合物が多く収載される特許情報からは、2015年版で追加した日本と韓国に加え、2016年版は中国と台湾の特許をカバーした。
さらに、主要な利用者である化学者のニーズを反映した柔軟で直観的なインターフェースを実装。同社が実際に化学者150万人を調査したところ、日常的に利用する検索方法はキーワード検索が約7割で、Reaxysが得意とする構造検索の使用頻度が3割にとどまることが判明したという。そこで、自然言語を含むキーワード検索の機能を強化するとともに、化学者の検索意図を解釈して関連情報を自動的に提示する機能を盛り込んだ。例えば、ある化合物の合成方法を検索した場合、直接的な検索結果とともに、その化合物を含む文献・特許など、有用と思われる情報を能動的に示してくれる。
また、構造検索に関しても、Javaスクリプトベースの新しい構造式作図ツールが利用できるほか、回答画面に階層的に表示されるフィルターツールを使って直観的に回答集合を絞り込むことができるようになった。検索式自体も、構造検索、キーワード検索、構造+キーワード検索、および複雑なクエリーもドラッグ&ドロップでわかりやすく組み立てることが可能である。
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