アイフォーカス・ネットワークに新社長が就任
人と対話できるAIエンジン、企業向け採用拡大へ
2017.10.06−人工知能(AI)エンジンを開発・販売するアイフォーカス・ネットワーク(本社・東京都千代田区)は、このほど創業者の早川典之氏が代表取締役社長に就任し、新体制でのビジネスをスタートした。会社設立自体は2012年で、すでにAIエンジン「Qlofune(黒船)」は人と対話できるAIとして実績が出ているが、来年3月にはこれをさらにバージョンアップし、商品名を「ENOKI(エノキ)」(Environment of Kindness Idea)に変更して新たに発売する計画も明らかにしている。
新社長に就任した早川氏は、サイベース日本法人社長やSAP日本法人の副社長を務めたあと、2013年からオープンテキスト社長に就任。その間に、アイフォーカス・ネットワークの創業に参加していた。今回、アイフォーカスの経営に専念し、「日本人による日本のAIを本格的に立ち上げたい」としている。今後は、AIを具体的に活用するための企業向けシステムインテグレーションに重点を置き、2018年にビジネスパートナーを20社まで増やすことを目標にしている。
同社が開発し、すでに提供中の「Qlofune」は、ユーザーインターフェースから知識データ構築まで、AIを応用したアプリケーションを開発・利用するための各種機能をコンポーネントとしてまとめたプラットホーム製品。外部システムとの連携が容易なほか、AIを鍛えるための管理ツールも用意されており、ユーザーが自分で運用しながらAIを発展させることができる。
最大の特徴は、人と対話できるAIエンジンを備えていること。ヘルプデスクでの応答、接客などのビジネスアシスタント、コミュニケーションロボットにおける会話機能などの分野ですでに実用例がある。公表可能な事例としては、楽天カードへの問い合わせに対応するチャットシステムに採用されている。
QlofuneのAIエンジンは、登録情報をもとにユーザーを回答に導くオントロジーAI、ログデータやFAQなどの文章データを知識として扱う非構造データAI、フローで記述したシナリオに沿って会話を進めるトークスクリプトAI、あいさつなどの会話例をもとにして応答する会話AI、揺らぎのある実際の会話に柔軟に対応するための深層学習AI−の5種類のAIエンジンを組み合わせることが可能。
「とくに日本語を解釈することは困難。海外の有名なAIも日本語の理解はいまだ不十分であり、その意味で当社の技術には優位性がある」と早川社長。「日本語が理解できれば、ほかのどんな言語でも可能」とのことで、基本的には世界中のすべての言語に対応できるという。
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