CCS特集2019年夏:ドットマティクス

大型案件を相次いで受注、移転拡張・スタッフ増員へ

 2019.06.21−ドットマティクスは、研究開発の基盤となる統合インフォマティクスソリューションを提供。化合物情報や生物情報の登録・参照、電子実験ノート、アッセイデータ管理、試薬管理、データ解析と意志決定支援など、機能の包括性と高度さ、処理の速さなどで定評がある。日本法人は今年4月にオフィスを移転拡張しており、事業を大きく伸ばしてきている。このため、年内にさらなる増員を図りたいとしている。

 同社は、国内で大型案件を相次いで受注。化合物情報の登録・参照系の更新、抗体医薬などに対応した生物由来物質のエンティティ登録システムの新開発、CRO(医薬品開発業務受託機関)と連携するためクラウド経由での電子実験ノート導入など、さまざまなニーズに応えている。

 とくに、大手製薬会社は、他社ケミストリーエンジンを活用した既存資産を抱えていることが多いが、このエンジンが複数存在すると化合物検索結果が微妙に変わったりして不都合がある。そこで、ドットマティクスでは、既存のケミストリーエンジンをそのまま使用しつつモダンなアプリケーションで研究を効率化するソリューションを提案。とりわけ、各種データに対してパワフルで柔軟な検索・閲覧を行う「BROWSER」、直感的で多目的なデータ分析・可視化のための「VORTEX」がキープロダクトとなっている。

 開発のペースが速く、バージョンアップの手間がかからないのも同社の製品の利点。電子実験ノート「STUDIES NOTEBOOK」では、ノートの詳細項目を閉じたり開いたりできるようにし、画面スクロールで反応式がみえなくなることを防いでほしいというユーザーの声にすぐに対応した。アッセイデータ管理の「STUDIES」はブリストル・マイヤーズスクイブと共同開発したウルトラハイスループットスクリーニング対応機能の追加、構造式描画ツール「ELEMENTAL」はChemDrawとのドラッグ&ドロップ連携、ポリマーエディターの搭載などが行われている。

 また、新しい製品もいくつか投入されており、ロシュと共同開発した「リアクションエクスプローラー」は電子実験ノートから特許申請のための反応スキームを探索するためのシステム。社内のノートやCROからのノートなどデータ量が爆発し、検索に苦労していたが、ドットマティクス独自のカートリッジレス検索エンジン“Minpoint”を活用することで解決した。さらに、構造活性相関などを行うメディシナルケミスト向けのデータ解析ツール、クラリアントと共同開発したフォーミュレーション向け電子ノートなども本格的に紹介していく。後者は、化学・材料メーカーも対象になるため、同社日本法人では11月に非製薬業向けセミナーを開いて披露したいと考えているという。


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