スウェーデンのMonoclが日本でサービス伸張

AI利用し研究者・医師を探索、メディカルアフェアーズなど有用

 2019.05.25−スウェーデンに本拠を置くMonocl(本社・ヨーテボリ、ビヨン・カールソンCEO)のサービスが日本でも伸びてきている。AI(人工知能)を利用して世界中の医師・研究者350万人をデータベース化しており、メディカルアフェアーズ、研究開発、マーケティングなどの目的で、パートナーとしてふさわしい外部の専門家を効率良く探し出すことが可能。サービス開始は2016年からだが、これまでに120社以上と契約。日本でも昨年から本格的に紹介をはじめており、すでに数十社のユーザーを獲得している。

 Monoclは、学術文献(PubMed)や臨床試験情報(ClinicalTraials.)、企業が研究者・医師に講演料や研究協力金を提供した情報(米国政府が運営するCMS.gov)、欧米を中心にした研究助成金情報などをデータソースに、キーワードを抽出・標準化を行い、人名や組織名に関して非曖昧化/名寄せを実施、共著関係などの研究者間ネットワークを網羅的に機械学習させている。インターネット経由で利用でき、さまざまなフィルターを利用することで、求める研究者・医師をあぶりだすことができる。

 とくに、特定の領域で台頭してきている若手研究者(ライジングスター)を見つけ出すことが可能。キャリアをスタートした年度、その分野のキーオピニオンリーダーとの共著数、共同研究者との関係の地理的な広がり、著したジャーナルのスコア、活動トレンドや割合など、網羅的な情報からその関係や活動を視覚的に分析できるため、説得力のあるかたちでふさわしい人物を特定できるという。

 インターネット経由で簡単に利用できるため、製薬業のユーザーが中心になっている。欧米ではMR(医薬情報担当者)向けのCRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)システムと連携させた使い方でも実績がある。また、ソースの文献には使用している機器・装置などの情報もあるため、競合製品の利用者にリプレースをかける目的で科学機器・分析装置メーカーが導入する例もあるという。

 データは毎週更新されているが、今年の夏には日本での開催を含む学会情報(約300)が追加され、これも毎月増やしていく予定。また、現在は英語の情報がベースだが、将来は日本語の文献などにも対応したいとしている。利用料金は1年間あるいは複数年契約の指名ユーザーライセンス制で、一人当たり年間数十万円程度から利用が可能となっている。

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Monocl(トップページ)
https://www.monocl.com/


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