SASがTOYO TIREに対しMI導入を支援

機械学習/逆問題解析など実現、人材育成・継続的な取り組み可能に

 2020.04.30−SAS Institute Japanは28日、TOYO TIREが研究開発にマテリアルズ・インフォマティクス(MI)を導入することを支援し、データマイニングと機械学習のためのソリューション「SAS Visual Data Mining and Machine Learning」および「SAS Optimization」を提供したと発表した。自動車タイヤ用ゴム材料の開発技術に採用し、保有しているデータを最大限有効活用することで、開発の加速と製品の高性能化を図る。

 TOYO TIREは、ゴム材料をナノレベルで観察、予測、機能創造、精密制御することによって、理想的なゴム材料開発を実現していく基盤技術「Nano Balance Technology」の整備を進めている。タイヤ用のゴム材料は、ポリマーや補強材に加えて、各種薬剤を添加した複雑系の材料であり、それらの種類や量、あるいは加工方法の制御による調整が重要になる。このため、従来の開発プロセスは、研究者の材料調査から仮説を立て、実験・シミュレーションを実施するまで試行錯誤的で、開発期間の制約や属人化などの課題を抱えていた。

 今回、SASによるMI技術を導入することにより、ゴム材料に関するさまざまな情報をデータ化し、人工知能(AI)やデータ解析技術を用いて材料機能の予測や新材料・代替材料の探索を効率化、材料開発期間の短縮を実現したもの。さらに、MIに基づく開発結果もデータとして蓄積することで、再帰的に次の開発に生かすことができるようにする予測モデルやデータ基盤の共通化も図っている。

 加えて、研究業務の標準化を推進し、人材開発やさらなるデータ整備、モデルの高度化を継続的かつ組織的に取り組むことができるようにもしたという。

 SAS製品を採用したことで、SMILES表記による化合物の構造情報を機械学習に利用することが可能になり、目的とする物性に近い化合物候補の自動生成を実現。ディープラーニングによる材料特性の推測だけでなく、望ましい特性に向けた構造の最適化を図る逆問題解析にも応用できるようになっている。

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<関連リンク>:

SAS(SAS Visual Data Mining and Machine Learning 製品情報ページ)
https://www.sas.com/ja_jp/software/visual-data-mining-machine-learning.html

SAS(SAS Optimization 製品情報ページ)
https://www.sas.com/ja_jp/software/optimization.html


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