三井情報がメタボローム解析プラットフォーム「MetaboAlign」

複数データの一斉解析に対応、精度向上・効率化を実現

 2022.09.28−三井情報(MKI)は27日、質量分析で得たメタボロームデータを解析する「MetaboAlign」(メタボアライン)を10月から発売すると発表した。複数の検体から取得した測定データを一度で定量的に比較できる解析プラットフォームとなっており、メタボローム解析の精度向上および効率化を実現できる。医療・創薬研究部分野だけでなく、食品や化粧品の機能性評価・商品開発に適用したいとしている。

 メタボローム解析は、細胞内に存在する脂質を含む代謝物の大規模な変動解析が必要。このため、多検体のサンプルから目的の代謝物質の変動を定量的に調べるには、熟練した研究者の手作業に頼るしかなった。また、質量分析器によって異なる形式のデータが出力され、解析ソフトも異なることから、それらを一斉にデータ解析することは困難。さらに、サンプル注入から代謝物検出までの保持時間にずれが生じて、検体のピーク地が正確に比較できないとか(ミスアライメント)、同じ保持時間に溶出する目的以外の代謝物(共溶出する異性体)が識別できないとかいった課題もあり、それらを解決できるソフトウエアを望む声が高かったという。

 新製品「MetaboAlign」はさまざまな質量分析装置ベンダーのデータ形式に対応。SRM、DDA、DIA、PRM、Full Scanなどの各種測定手法に対応し、定量分析や目的成分のピーク探索など、ターゲット分析のさまざまな用途への利用が可能。とくに、SRM測定データを用いた定量分析では、複数のサンプル由来の成分を一斉にアラインメントし、比較解析することができる。

 独自の波形解析エンジンによって高速かつ正確な同定を実現しており、脂質を網羅的に分析するシステム「LipidSearch」と組み合わせて利用することにより、より正確な同定情報とひも付け、感度・精度を高めたメタボロームの定量分析が可能となっている。

******

<関連リンク>:

三井情報(トップページ)
https://www.mki.co.jp/

三井情報(MetaboAlign製品情報ページ)
https://www.mki.co.jp/solution/MetaboAlign.html


ニュースファイルのトップに戻る