ENEOSとPFNがAI自動運転を実プラントに常時適用
川崎製油所のブタジエン抽出装置、手動操作を超える経済性・効率性

 2023.08.01−ENEOSとPreferred Networks(PFN)は7月31日、ENEOS川崎製油所のブタジエン抽出装置に対して、人工知能(AI)による自動運転システムを常時適用開始したと発表した。大規模かつ複雑であり、長年の経験に基づいた運転ノウハウが求められる同プラントにおいて、手動操作を超える経済的で高効率な運転を達成したとしている。

 AIシステムは両社が共同開発したもので、制御対象としている要素数(13個)や予測に用いる入力センサー数(363個)の点で、この分野で最大級の取り組みだという。昨年12月、両社はブタジエン抽出装置による2日間のAI自動運転の実施に成功。この成果を踏まえ、プラント内の温度、圧力、流量および製品性状など13個の運転重要因子の常時監視と、9個のバルブ同時操作を行うことで、装置全域に対して原料処理量の変更などにともなう運転変動を安定化させるとともに、熟練した運転員によるオペレーション以上の経済性と効率性を実現できた。

 プロジェクトにおいては、ブタジエン抽出塔と並行して常圧蒸留装置などの主要プラントの自動最適化AIシステムの開発を進行。今後、ENEOSの他製油所への展開、並びにソリューションパッケージとして一般販売することも計画している。

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