CCSニュースファイル
   1998年10−12月

  • CCS特集第1部

·         CCS業界動向

  • CCS特集第2部

·         コンビナトリアルケミストリー/ハイスループットスクリーニングの最新動向

·         ユーザー最前線:旭化成工業

 1998.10.01−ISIジャパンは、一般ユーザーがインターネットを介して化学反応データベース(DB)などの検索を行えるサービスを「ISI ChemistryServer」の名称で本格的に開始する。米インスティチュート・フォア・サイエンティフィック・インフォメーション社(ISI)が昨年夏から始めた引用文献DBサービスに加え、今年8月に化学反応DBサービスを開始、来年初めには化合物DBも提供するなどコンテンツが強化されたことにともない、日本でのユーザー獲得に本腰を入れることにした。来年度にはユーザーが社内だけで使えるイントラネット版も発売する予定。

 1998.10.13−菱化システムは、合成ゴムなどの配合問題を扱うニューラルネットワーク型のコンピューターケミストリーシステム(CCS)である「CAD/Chem」(商品名)の適用範囲を拡大し、金融などのビジネス分野への展開を図ることにした。このシステムは、米AIウエア社が開発したもので、93年から同社および代理店のアダムネットを通じて国内で販売され、これまでに約200本の実績をあげている。ニューラルネットとして汎用的な機能を持っているため、開発元では最近はさまざまな分野への応用展開を進めており、ビジネス分野での実績が増えてきているという。そこで、国内でも同様に新しい市場に対して売り込みをかけていく。

 1998.11.10−帝人システムテクノロジー(TST)は、同社設立15周年を記念し、米モレキュラーシミュレーションズ社(MSI)の統合コンピューターケミストリーシステム(CCS)である「Cerius2」(商品名)のキャンペーン販売を行う。通常価格100万円の基本モジュールを無償で提供するほか、他の機能モジュールやワークステーションも特別価格で販売する。景気後退によりユーザー企業の研究投資も停滞気味であるため、思い切った価格政策で需要を刺激し、ユーザー層を広げたい考え。

 1998.11.12−大手コンピューターケミストリーシステム(CCS)ベンダーの帝人モレキュラーシミュレーション(略称・TMSI、川崎信也社長)は、米モレキュラーシミュレーションズ社(MSI)がこのほど統合分子設計支援システム「Cerius2」に採用されているソフトウエア開発環境を無償で公開したことを明らかにした。これまで「ソフトウエアデベロッパーズキット」(SDK)の名称で製品として提供されていたもので、国内では約300万円の価格がつけられていた。民間企業、大学関係を含めて広く世界中の開発者に無料で提供していく。多くの開発者を取り込むことで、Cerius2をCCSの標準プラットホームに仕立てようという狙いがある。

 1998.11.27−CTCラボラトリーシステムズ(CTCLS)は、英IDビジネスソリューションズ社(略称・IDBS、ニール.J.キプリング会長兼CEO)と販売代理店契約を正式に締結し、「ActivityBase」(アクティビティベース)の本格的なビジネスを開始した。活性試験などの生物関係のデータを効率よく扱うためのデータベース管理システム(DBMS)で、新薬の研究開発などにおいて役立つ。これまで、生物系研究者向けの専用DBMSは存在せず、エクセルなどの一般のパソコンソフトを使ってデータを入力・管理しているケースが多かったという。約半年間のプレマーケティングを通してすでに国内の15社から受注実績をあげており、同社では創薬支援ソリューションの一環として販売に力を入れる計画。

 1998.11.28−三菱総合研究所は、ポリマーアロイに関する公開特許情報を独自にデータベース化し、関連研究者・開発者向けのパソコンソフトとして、「PAB-Square」の名称で製品化した。1975年から92年までの6,000件の情報を収録しており、用途や材料特性などで目当ての情報を絞り込める機能を盛り込んだ。また、今回はすべて英語版で製品化しており、主に海外の研究者をターゲットに売り込んでいく。

 1998.12.03−菱化システムは、米国の新しいコンピューターケミストリーシステム(CCS)ベンダーであるサイコ社(本社・カリフォルニア州、ジョン・ハリス社長)と販売代理店契約を締結し、12月中旬から材料設計支援システム「MedeA」(商品名)を発売する。これはサイコ社が開発した最初の製品で、米国と同時期の市場投入となる。分子や結晶表面で起こる原子レベルの現象を量子力学的にシミュレーションすることができ、金属材料や半導体、触媒、ポリマーなどの開発に役立つ。ウィンドウズ98/NTに対応しており、標準構成のソフト価格は700万円(大学は半額)から。

 


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