1999.04.12−「世界には、研究室レベルで知られているもので1,800万種、市場に流通しているだけでも10万種もの化学物質がある。しかし、その中で毒性の有無が分かっているものはわずか1,000種類しかない。動物を使った毒性試験は時間も費用もかかるので、コンピューターを使って毒性を予測できないかと考えた」と述べるのは、通産省工業技術院物質工学工業技術研究所の田辺和俊首席研究官である。 1999.04.13−日本MDLインフォメーションシステムズは、化学反応のデータベース(DB)からインターネット経由で関連する文献情報の本文にアクセスできるようにするソフトウエア「LitLink/スタンダードサーバー」(商品名)を発売した。通常の反応DBには構造式や反応式、反応条件などのデータのほかに参考文献の名前が出ているが、その文献を調べるためにはあらためて図書室などに出向く必要があった。このソフトを利用すると、検索画面からそのまま文献の本文にアクセスできるので、研究の思考が妨げられることがない。ソフト価格は300万円からで、総代理店のCTCラボラトリーシステムズを通して販売する。 1999.05.18−7年間続いた帝人との合弁を解消し、日本法人を100%子会社化した米国のコンピューターケミストリーシステム(CCS)最大手ベンダー、モレキュラーシミュレーションズ社(MSI)のサイード・ザラビアン社長がこのほど来日、本紙とのインタビューに応じ、新しい対日戦略などを明らかにした。「以前は本社の意向を完全に反映させることは難しかったし、代理店のサポートでも問題があった。今後は、我々自身が日本のユーザーと直接対話し、日本からの要求をきめ細かく吸い上げたい。日本法人はMSIのアジア太平洋本社として機能の充実を図るとともに、親会社である米ファーマコピアのビジネスも徐々に展開していく」などと語った。 1999.05.27−富士通は、科学技術系のソフトウエア事業の拡充を図るため、設計解析やシミュレーションなどを手がけていた関連部門を一元化し、「計算科学技術センター」を設立した。“科学”に強いシステムエンジニア(SE)140名を結集させ、二ケタ成長で売り上げを伸ばしていく考えだ。「得意領域に集中することで新しい市場を開発し、世界に打ち勝てるソフトを生み出していきたい」と述べる小倉誠センター長にこれからの戦略を聞いた。 1999.06.17−帝人システムテクノロジー(TST)は、米国のコンピューターケミストリーシステム(CCS)ベンダーであるシミュレーションズプラス社が今秋をめどにスタートさせる医薬品開発のためのコンソーシアムメンバーの募集活動を開始した。分子設計の段階で重要な薬理活性をあらかじめ予測し、候補化合物を絞り込むことを目指したもの。メンバーから実際の化合物の提供を受け、それらを分析試験にかけて測定した物性値データをもとに予測のアルゴリズムを確立していく。いままでにないユニークなスタイルのコンソーシアムであり、世界の大手製薬メーカーが関心を示しているという。 1999.06.21−化学および医薬分野の研究開発に役立つデータベース(DB)を提供しているISIジャパンは、インターネットベースの情報検索サービスの売り込みを強化する。昨年から提供している化合物および化学反応DB、引用文献DBに加え、このほど兄弟会社のダウエント社が蓄積している特許情報DBとの相互乗り入れが可能になるなど、コンテンツが大幅に充実したため。キーワードなどを使って検索すると、該当する文献情報とともに特許情報も表示され、クリック一つでその内容にアクセスできるなど、研究の思考を妨げない使いやすさが特徴となっている。 1999.06.24−ケイ・ジー・ティー(KGT)は、幅広いコンピューターケミストリーシステム(CCS)技術を用いて、化学・材料研究の最先端を支援。とくに、分子の電子状態の解析と物性評価に役立つ量子化学計算のサポートに力を入れており、充実したソフトウエアツール群の提供から、計算サーバーを含めたハードウエアのシステムインテグレーション(SI)までトータルソリューションの構築を目指している。 1999.06.24−帝人システムテクノロジー(TST)は、医薬品の研究開発を支援するライフサイエンス系のコンピューターケミストリーシステム(CCS)を幅広く取り扱っており、とくに有望な候補化合物を効率良く発見するためのソフトウエアの提供に力を入れている。遺伝子/ジェノミックス関連のシステムインテグレーションと合わせて、新薬の探索研究を強力にサポートできるのが同社の強みとなっている。 |