CCSニュースファイル
   2014年7−9月

  • CTCLSが製薬業向けITインフラをクラウドで提供、CSV対応済み
      2014.07.02−CTCライフサイエンス(CTCLS)は6月19日、医薬品や医療機器の開発・製造に使用されるITシステムに要求される“コンピューター化システムバリデーション”(CSV)に対応したIaaS型クラウドサービス「PharmaCUVIC」(ファーマ・キュービック)の提供を開始すると発表した。CSVに適応した業務システムを稼働させるためのインフラと運用管理サービスを提供するもので、初期導入費用と月額サービス料で利用することが可能。CSVに必要な各種文書の準備や当局による査察への対応などの負担が大幅に軽減される。システムの導入期間も、オンプレミスの場合に比べて最大で4ヵ月程度短縮できるという。
  • エルゼビア・ジャパンが創薬化学向けDBサービスを機能強化
      2014.07.02−エルゼビア・ジャパンは、創薬化学者向けのデータベース(DB)サービスを機能強化し、「Reaxys Medicinal Chemistry 2.0」(Reaxysメディシナルケミストリー)としてリリースした。医薬品候補化合物に関連した生物活性データ、薬理作用、ADME(吸収・分布・代謝・排出)特性など、最新の実測データを文献や特許から抽出してまとめたもので、候補化合物の選択プロセスの効率化と創薬研究の生産性向上に役立つ。今回の最新版では、コンテンツを大幅に拡充したほか、化合物とターゲットとの相互関係を一覧的にとらえる「ヒートマップ」機能を搭載した。
  • 大塚製薬のMR向け端末にデルのWindowsタブレットが採用
      2014.07.03−デルと日本マイクロソフトは2日、大塚製薬のMR(医薬情報担当者)向け端末として、Windows 8.1 Enterprise を搭載したタブレットPC「Dell Venue 11 Pro」1,900台が採用されたと発表した。6月末までにすべてのMRに対して配備が完了している。これまでは、通常のノートPCとiPadの2台を持たせていたが、今回は両方の機能を兼ね備える「Venue 11 Pro」に一元化した。これにより、導入・管理費用が50%削減されたという。
  • 菱化システムがクラウド型のELN「CDD Vault」を発売、外部機関とコラボ
      2014.07.04−菱化システムは、米コラボレーティブ・ドラッグ・ディスカバリー(CDD、バリー・バニンCEO)と代理店契約を締結し、クラウド型の電子実験ノート(ELN)ソリューション「CDD Vault」の販売を開始した。製薬企業が、大学や公的研究機関などと共同研究を行う際のインフラとなるように設計されており、安全に研究データを共有することが可能。ビル&メリンダ・ゲイツ財団が支援している結核治療薬開発プロジェクト“MM4TB”において、民間製薬会社7社と4つの大学・研究機関とのコラボレーションの基盤に採用された実績があるという。
  • 参天製薬が安全性情報の一元管理で「Oracle Argus Cloud Service」導入
      2014.07.10−日本オラクルは8日、参天製薬が医薬品・医療機器の安全性情報の一元管理をクラウドベースで実現する「Oracle Argus Cloud Service」を導入し、約10ヵ月の構築期間を経て、システムの稼働を開始させたと発表した。安全性データを可視化する機能を向上させるとともに、各国・地域の規制に対してグローバルで対応することが可能になる。クラウドサービスをプラットホームとすることで、迅速な展開、高い可用性、メンテナンスの適時性、ITスペシャリストによる運用管理、ITコストの予測性の向上などの効果が期待できるという。
  • 富士通九州システムズが「ADMEデータベース」の最新バージョン35
      2014.07.10−富士通九州システムズ(FJQS)は、薬物代謝に関する情報をインターネット経由で検索できる「ADMEデータベース」のバージョン35を7月から提供開始した。3ヵ月おきにデータを更新しており、今回も3,000件ほどの新しいデータが追加されている。また、とくに大学での利用を促進するため、研究室単位での利用に適したシングルユーザーラインセンスを新設し、利用料金の入り口をこれまでの半額に引き下げた。
  • CTCライフサイエンスがQUMAS製品の販売・サポート体勢を強化
      2014.07.10−CTCライフサイエンス(CTCLS)は、BIOVIA(旧アクセルリス)の製薬業向けコンプライアンスソリューションであるQUMAS製品群の販売・技術サポート体制を強化した。製造・品質管理基準(GMP)査察などを各国の規制当局で共有する医薬品査定協定・医薬品査察協同スキーム「PIC/S」に日本が加盟したことなどを背景に、導入への関心が高まっているため。CAPA(是正措置・予防措置)などのイベント管理とそれにともなうSOP(標準作業手順書)などの文書管理を一括で行うことが可能。専門チームを増員し、より高いレベルでライセンス販売から保守サポート、コンサルティング、システム構築までのトータルな導入支援サービスを提供していく。
  • インフォコムが米マルチケースの毒性予測ソフト拡販へ、ICH M7関連で
      2014.07.12−インフォコムは、薬物の代謝や毒性を予測する米マルチケース社のパッケージソフトの拡販に乗り出す。ICH(日米欧医薬品規制調和国際会議)のM7ガイドラインで、医薬品に含まれる変異原性不純物への対応について、ソフトウエアを用いた評価が認められる動きに対応したもの。マルチケース製品は米食品医薬品局(FDA)の協力のもとに開発が進められており、米国ではすでに実績が豊富なことから、この機をとらえて国内の製薬企業への営業を強化することにした。
  • ICH M7 ガイドラインで毒性予測ソフトの販売競争が加熱、変異原性試験
      2014.07.24−日米欧医薬品規制調和国際会議(ICH)のM7(潜在的発がんリスクを低減するための医薬品中 DNA反応性(変異原性)不純物の評価及び管理)がステップ4に達し、近く正式にガイドライン化されることを踏まえ、ソフトウエア業界の動きがあわただしくなってきた。毒性予測ソフトによる解析で陰性が示されれば、実際の毒性試験が免除されるという内容を含んでいるため、ソフトの利用者が大きく広がるという期待でベンダー側は色めき立っている。
  • 富士通九州システムズが「ADMEデータベース」で初のユーザー会
      2014.07.31−富士通九州システムズ(FJQS)は、25日に東京都内で初めての「ADME Database」(ADMEデータベース)ユーザー会を開催した。これは、薬物動態関連の情報をインターネット経由で検索できるオンラインサービスで、サービス開始から8年以上の歴史を重ねている。情報交換がしたいというユーザーの要望で実現したもので、当日は20人ほどが参加し、熱心な討議が行われた。
  • 富士通・東大・興和の共同研究グループがIT創薬で成果
      2014.08.16−東京大学先端科学技術研究センターと富士通、興和は、IT創薬の手法により、がん治療を目的とする新規活性化合物の創出に成功したと発表した。標的たん白質との相互作用の強さを指標に22の化合物構造を選び出し、そのうちの8つを実際に合成して阻害活性を測定したところ、目標とする阻害活性を示す1つの低分子化合物を得ることができたという。今後、非臨床の有効性・安全性評価などを行い、今回の化合物をさらに改良していくことにしている。
  • 富士通九州システムズが薬物相互作用予測ソフトを機能強化
      2014.08.27−富士通九州システムズ(FJQS)は、医薬品開発過程で他の薬物との併用時ににおける薬効・副作用発現への影響を予測できる「DDI Simulator」(DDIシミュレーター)の最新バージョン2.4を9月1日から発売すると発表した。とくに、今年7月に厚生労働省医薬食品局が公開した「医薬品開発と適正な情報提供のための薬物相互作用ガイドライン(最終案)」に対応させ、代謝酵素の誘導による相互作用の予測(誘導モデル)機能を追加したことが大きな機能強化のポイント。価格は年間利用料金で250万円から。
  • アドバンスソフトが「Advance/PHASE」の最新バージョン3.3を発売
      2014.09.03−アドバンスソフトは、材料設計に利用できる第一原理計算ソフトウエア「Advance/PHASE」の最新バージョン3.3を開発、8月下旬にリリースした。ナノスケールの材料のバルク特性、表面や界面の解析などに広く利用することが可能で、今回はとくに実験と関連付けた考察が可能になるような現実的なシミュレーションを実現させた。価格は年間ライセンスで100万円から。
  • SASが医薬品研究開発向けビッグデータ活用でシオノギ製薬と共同研究
      2014.09.05−SAS Institute Japanは3日、医薬品研究開発基盤としてHadoop対応のビッグデータ環境を活用した共同研究プロジェクトをシオノギ製薬とスタートさせると発表した。Hadoopクラスター上での分散並列処理を効率化する「SAS In-Memory Statistics for Hadoop」を採用し、新薬の開発や安全性の研究で社内に蓄積された大量のデータを再活用するとともに、そこにさまざまなオープンデータを組み合わせることでデータ解析の高度化・高精度化を図り、新薬開発を促進する情報基盤をつくりあげていく。
  • 富士通が新しい非臨床安全性試験パッケージ、製薬大手が開発協力
      2014.09.26−富士通は25日、製薬業界やCRO(医薬品開発受託機関)向けの新しい非臨床安全性試験パッケージ「FUJITSU Life Science Solution tsPharma LabSite」を開発、販売開始したと発表した。GLP(医薬品の安全性に関する非臨床試験の実施基準)試験のアウトソーシング化の拡大や使用動物数を減らした試験内容への変更の増加、さらに日米EU医薬品規制調和国際会議(ICH)の動向、規制要件変更や今後の電子化申請への対応など、製薬業を取り巻く新しい情勢の変化に柔軟に対応できるように開発されたもの。クライアント/サーバー型のシステムで、価格は最小構成で1,450万円から。3年間で25社への販売を見込んでいる。
  • CTCライフサイエンスがLhasaの毒性予測ソフト、知識ベース利用の最新版
      2014.09.27−CTCライフサイエンス(CTCLS)は、英Lhasaが開発した知識ベース手法による毒性予測システム「Derek Nexus」の最新バージョン4.0を国内で販売開始した。日米EU医薬品規制調和国際会議(ICH)のM7(潜在的発がんリスクを低減するための医薬品中 DNA反応性(変異原性)不純物の評価及び管理)ガイドラインの関連で注目されている製品で、このソフトによる毒性評価結果を実際の毒性試験を代替するデータとして提出することが可能。今回の最新版では、同ガイドラインの施行を見越した機能強化が実装されているという。

 

 

**************<一般ITニュース>***************

 

  • ヴイエムウェアが国内でIaaS型クラウドサービスを提供、合弁設立
      2014.07.16−ヴイエムウェアは15日、ソフトバンクテレコムおよびソフトバンク コマース&サービスと共同で、IaaS(サービスとしてのインフラ)型パブリッククラウドサービスである「VMware vCloud Hybrid Service」(vCloudハイブリッドサービス)を国内で提供開始すると発表した。オンプレミスのIT環境にあるインフラを、スピーディーかつシームレスにパブリッククラウド環境へと拡張できるソリューションで、同社が提唱する“ハイブリッドクラウド”を実現することができる。すでにベータ版を運用中で、今年の10〜12月期に正式版をリリースする。
  • 日本オラクルがマーケティングクラウド事業を本格展開
      2014.08.20−日本オラクルは19日、クラウド型の次世代マーケティングプラットホームの提供を本格的に開始すると発表した。マーケティング担当者が、複雑化するマーケティングツールを活用し、顧客の嗜好やニーズに合った情報を発信しつつ、顧客との長期的で良好な関係を構築するのに役立つ。IT市場全体の成長率が鈍化するなか、こうしたデジタルマーケティング市場は急成長が見込まれており、同社では営業体制やパートナー戦略の強化を通じて、この分野におけるナンバーワンの地位獲得を目指していく。
  • 千葉市がICTを活用した市民共同のまちづくり、セールスフォースを採用
      2014.08.30−千葉市(熊谷俊人市長)は28日、ICTを活用した市民協動のまちづくりを目的とした「ちば市民協動レポート」(ちばレポ)を本格的にスタートさせると発表した。セールスフォース・ドットコムが提供するクラウド型モバイルプラットホームのSalesdorce1を基盤に構築しており、市民がみつけた道路の陥没などの不具合をスマートフォンでその場から送信してもらい、ウェブ上にそのレポートを公開する。可視化された地域の課題を市民と市役所が共有し、速やかに解決に当たろうというもの。ICTを活用して市民が市政に参加する取り組みは全国でも初で、千葉市ではこのシステムを他の自治体にも広げるよう努力していく。
  • ソリッドワークス・ジャパンが概念設計を支援するクラウドサービス
      2014.09.06−ソリッドワークス・ジャパンは5日、親会社であるダッソー・システムズの3Dエクスペリエンスプラットフォームを基盤とする初のソリッドワークスアプリケーションとして、クラウド環境を活用した「SOLIDWORKS Mechanical Conceptual」を国内で正式に発売したと発表した。概念設計(コンセプトデザイン)というものづくりの初期段階において、部門間/社内外のコラボレーションを推進することができる。代理店を通して販売するが、参考価格は年間ライセンスで51万1,800円から。
  • インテルが“2 in 1 デバイス”向け新プロセッサー「Core M」を発表
      2014.09.11−インテルは8日、14ナノメートル製造プロセスを採用した初めてのマイクロプロセッサーを開発、新ブランドの「Core M プロセッサー」として提供開始すると発表した。ノートPCとタブレット端末の両方の機能を持つ“2 in 1 デバイス”と呼ばれる製品領域に向けたプロセッサーで、ファンレス設計を可能とする超薄型で、処理性能とバッテリー駆動時間にも優れた製品の開発を可能にするという。同プロセッサーを搭載した製品は、今年の年末商戦にPCメーカー各社から発売される予定。
  • 日立ソリューションズがアジャイル開発支援プラットホーム製品
      2014.09.13−日立ソリューションズは12日、米コラブネット(本社・カリフォルニア州、ビル・ポーテリCEO)と販売代理店契約を締結し、クラウドベースで利用できるALM(アプリケーションライフサイクルマネジメント)プラットホーム「TeamForge」を提供開始すると発表した。ビジネス環境の激しい変化に合わせて柔軟かつ短期間にアプリケーション開発が行える“アジャイル開発”に適した環境を整えることができるのが最大の特徴。海外では、10万人規模の技術者によるグローバルな分散開発プロジェクトを成功させた実績があるという。価格は、1ユーザー当たり年間8万8,000円。

 

 


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