総論:昨年の市場動向
主要ベンダー各社の戦略:アクセルリス、アドバンスソフト、アフィニティサイエンス、アドバンスドテクノロジーインスティテュート、バイオ・ラッド ラボラトリーズ、ケムインフォナビ、コンフレックス、ケンブリッジソフト、CTCラボラトリーシステムズ、サイバネットシステム、エルゼビア・ジャパン、富士通九州システムエンジニアリング、富士通、ヒューリンクス、インフォコム、化学情報協会、日本総研ソリューションズ、科学技術振興機構、エルエイシステムズ、マトリックスサイエンス、分子機能研究所、ナノシミュレーション、物質・材料研究機構、菱化システム、サイエンス・テクノロジー・システムズ、シミックス・テクノロジーズ・ジャパン、トムソン・ロイター、ウェイブファンクション、ワールドフュージョン (アルファベット順)
- CTCLSが初の製薬業向けPLMソリューション、“QbD”推進に寄与
2008.04.10−CTCラボラトリーシステムズ(CTCLS)は、米コンフォーミア(本社・カリフォルニア州、ジョー・A・プラング社長)と国内における独占販売代理店契約を締結し、製薬企業向けのPLM(製品ライフサイクル管理)ソフトウエア「デベロップメントオペレーションズシリーズ」の販売を開始した。複雑なプロセスに従う医薬品開発の状況を経営層に“見える化”するため、SAP社のERP(エンタープライズリソースプランニング)パッケージと統合することが可能。SAPジャパンおよびSAPパートナー企業、コンサルティング会社などと連携し、積極的に提案活動を展開する。初年度3億円、3年後に12億円の売り上げを見込んでいる。
- アフィニティサイエンスがファーマコフォアモデリングソフト「LigandScout」
2008.04.14−アフィニティサイエンス(本社・東京都目黒区、田坂友彦社長)は、オーストリアのインテル・リガンド社(ティエリー・ランガー社長)と代理店契約を結び、簡単な操作で利用できる構造ベースのファーマコフォアモデリングソフト「LigandScout」(リガンドスカウト)を発売した。洗練された3次元グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)によってアイコンをクリックするだけでファーマコフォアのモデル化を行うことができる。Javaで開発されているのでプラットホームを選ばないことも特徴。価格は年間ライセンスで教育機関向け30万円、民間向けは要見積もり。
- 米CS社:エンタープライズセールス担当ビル・ボーク副社長インタビュー
2008.04.29−旧エルゼビアMDLで日本法人社長も務めた経歴を持つビル・ボーク氏が、今年1月に米ケンブリッジソフト(CS)のエンタープライズセールス担当副社長に就任した。データベースシステムを中心とした企業向けソリューションを推進していく。日本市場には思い入れがあり、またアジア太平洋地域全体としてのビジネス拡大を達成したいとするボーク副社長に今後の戦略を聞いた。
- トムソンサイエンティフィックが知財戦略向け統合情報サービス
2008.05.01−トムソンサイエンティフィック(トムソン・ロイターのサイエンティフィック事業部門)は、企業における知的財産の研究と分析を支援する包括的な情報サービスとして、「Thomson
Innovation」(トムソンイノベーション)を6月から国内で提供開始する。世界中の特許情報と、学術文献などの非特許文書の両方を幅広くカバーしており、利用者は知的財産およびビジネス戦略に関する優れた判断を行うための情報とツールを入手することができる。当面は英語版での提供だが、今秋には日本語のユーザーインターフェースを用意する計画。
- 菱化システムが標的たん白質探索ソフト「MED-SuMo」、類似度解析
2008.05.10−菱化システムは、仏MEDIT社(フランソワ・デルフォード社長)と代理店契約を結び、創薬のもととなるターゲットたん白質を探索するソフトウエア「MED-SuMo」を新製品として販売開始した。たん白質の分子表面を解析し、リガンド結合部位を絞り込んだり、表面構造の類似した他のたん白質をデータベースから検索したりするなど、ターゲットたん白質からのドラッグデザインを支援するユニークな機能を備えている。とくに、特許取得の独自アルゴリズムが特徴。同社では加CCGの分子モデリングソフト「MOE」と組み合わせて、総合的な創薬支援システムとしての提供にも力を入れる。
- CTCLSが製薬業向けオフショア開発でインド系コグニザントと協業
2008.05.19−CTCラボラトリーシステムズ(CTCLS)は、インド系のオフショア・アウトソーシングサービス大手ベンダーである米コグニザント・テクノロジー・ソリューションズ(本社・ニュージャージー州、フランシスコ・ドスーザ社長兼CEO)と業務提携し、国内の製薬企業向けに業務改善コンサルティングからシステム構築・運用管理までのトータルサービスを共同で提供する。欧米の製薬業に対する高い実績を背景に、日本企業のグローバル戦略をITソリューションの側面から一貫支援していく。ユーザー側にもメリットの大きな協業として注目される。
- アクシオヘリックスがゲノム研究支援ソフトを外販、理研のOmicBrowse
2008.05.31−アクシオヘリックス(本社・沖縄県那覇市、シバスンタラン・スハルナン社長)は、生命科学研究に役立つプラットホームソフトウエア「OmicBrowse」(オミックブラウズ)の販売を開始した。もともとは理化学研究所が開発したものだが、今回、外部に対してカスタマイズと再販売が行える権利をアクシオヘリックスが取得した。内部の研究データを、ゲノム関連の公開データベースと合わせて統合的に解析したい製薬・バイオ企業や大学向けに提供していく。ライセンス価格は98万円から。
- FQSがADME予測ソフト最新版、外部パラメーター組み込みで精度向上
2008.6.7−富士通九州システムエンジニアリング(FQS)は6日、化学物質や薬物などの安全性と体内動態を予測する「ADMEWORKS」の最新バージョン4.5を9日から発売すると発表した。外部パラメーターを自由に追加できるようにしたことで、予測や評価の精度が大幅に向上している。主に新薬開発に利用されており、年間100本の販売を見込む。
**************<一般ITニュース>***************
- 日立システムがSAPベースの中堅製薬業向けERPソリューション
2008.05.16−日立システムアンドサービスは、SAPのERPパッケージをベースにした医薬品製造業向けソリューション「Specific
for Pharma」を開発し、9日から販売開始した。中堅規模の製薬企業向けに低コスト・短納期を実現したもの。業種に特化した業務テンプレートを備えており、会計、販売管理、在庫管理、購買管理、生産管理、品質管理などの基幹業務をシステム化できる。標準価格は、1億5,750万円。
- 米アスペンテック:ウィーラー上級副社長インタビュー、スイート戦略前進
2008.06.14−米アスペンテクノロジー(アスペンテック)は、石油・化学をはじめとするプロセス産業専門のIT(情報技術)ベンダーとして、市場でも特異なポジションを占めている。プラントの生産現場と経営をつないで、ビジネスの全体最適を達成させる統合ソリューション「aspenONE」を推進。今年の後半にはユニークな新機能を追加した最新バージョンがリリースされる。対日戦略も、ここ数年のコアであるエンジニアリング領域での高度利用の取り組みに加え、昨年夏の富士通との提携で急展開しはじめている。マーケティングと製品、パートナー戦略を統括するブレア・ウィーラー上級副社長に事業の現状と今後について聞いた。
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